君が内緒で連れて行こうとしている場所、東京湾の花火大会だった。
一言いっておいてくれれば、私も浴衣をきたのに、と思った。
付き合って2度目の夏、去年は花火を見にいくタイミングが合わなかったから、今年が始めての花火デートだった。
会場は人で溢れ返っていたけど、とても良い場所を取ることができた。
周りはカップルや家族ずれで、お酒を飲んで屋台の惣菜を食べている。
君はとても綺麗な顔をしている。
優しくて、温かい人だ。
花火が打ち上がる。
とても堂々としていて、美しく弾けて、賑やかしい。
心臓が震えた。
美しくて重い、その音と眩しさが私の心を壊した。
私はその壊れる音をはっきりと聴いた。
涙が出た。
花火が打ち上がるたび、心を傷つけられていく。
君が私の手を握るその強さや、熱が私を殺していくような気がした。
大きく美しく派手で楽しくて、堂々としていて、
それはまるで一つの家族のような強さだった。
重くのしかかるその言葉。
君がプロポーズしてくれたのは、去年の冬だった。
私は君のことが大好きで、死ぬまで一緒にいたいと願っていた。
きみもそう思ってくれている。
今も君はそう思ってくれている。
私自身も強くそう思っている。
きみ以上に好きになったりなんかしないってそう思う。
だけどこの花火をみる私たちの違いがその願いから、あまりにも遠いことに気がついた。
家族になるって恐ろしい。
自身の身体の重みで、ベッドのスプリングが沈むのを忌々しく思う。
私は自分が何かに影響しているということを嫌う。
そんな人間が心の綺麗な君と一生いしょにいれるはずなんてない。
この花火が終わったら、君に別れを告げよう。
君がどんなに悲しんでも、私の決心が変わらないように、堂々とした花火を思い出す。
君を不幸にしてはいけない。
自分のせいで、心のを貧しくさせては、私の人生はもっと惨めになる
さよならといおう。
酷く好きなのに、君がいなければしんでしまいそうなのに。
それでも君と別れよう。
ごめんね。本当にごめんね。
大好きだよ。
私の人生で一番大切な君。
いままでありがとう。

